眼瞼下垂について
眼瞼下垂（がんけんかすい）は、上まぶたが正常よりも下がってしまう状態です。見た目の問題だけではなく、視野が狭くなったり、目の疲れや頭痛の原因となったりすることもあります。軽度の場合は日常生活にほとんど支障がありませんが、重度になると視界が遮られ、QOL（生活の質）に影響が出ることもあります。
眼瞼下垂は片側だけのこともあれば、両側に起こることもあり、生まれつきのものと加齢などにより後から発症するものがあります。
こんなお悩みはありませんか？
- まぶたが重く感じる、目を開けるのに力が入る
- 目が小さく見えて表情が暗く見られる
- 日中、目が疲れやすく頭痛がすることがある
- 上を見上げる時に特に視界が狭くなる
- 眉毛を上げて目を開けようとする癖がある
- 年齢とともにまぶたの垂れ下がりが目立ってきた
など
眼瞼下垂の治療方法
眼瞼下垂の治療方法は、原因や重症度によって異なります。軽症の場合や手術が適さない場合は、特殊なメガネでまぶたを持ち上げる方法や、まぶたを一時的に持ち上げるテープを使用する方法などの保存療法（非手術療法）があります。しかし、これらは根本的な解決にはなりません。
眼瞼下垂の根本的な治療は手術です。当院では主に「眼瞼挙筋腱膜前転法」と「眉毛下皮膚切除術」を行っています。眼瞼挙筋腱膜前転法は、まぶたを持ち上げる筋肉（眼瞼挙筋）の腱膜を前方に引き出して固定する方法で、先天性や加齢性の眼瞼下垂に適しています。眉毛下皮膚切除術は、まぶたの皮膚のたるみが主な原因の場合に適した方法です。
眼瞼下垂の手術
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、形成外科専門医による眼瞼下垂の手術を行っています。手術は局所麻酔で行われ、日帰りで受けることができます。
眼瞼挙筋腱膜前転法
眼瞼挙筋腱膜前転法は、まぶたの裏側から腱膜にアプローチするため、外見上の傷跡がほとんど残りません。挙筋腱膜の状態に合わせて調整が可能で、両目の対称性を重視した手術を行います。
機能面と美容面の両方に配慮した方法で、まぶたを開ける筋肉と腱膜を直接調整するため、効果的にまぶたを持ち上げることができます。
眉毛下皮膚切除術
眉毛下皮膚切除術は、眉毛の下に沿って切開するため、傷跡が目立ちにくくなります。皮膚のたるみを直接取り除く効果があり、眉毛の位置も同時に調整できるのが特徴です。
主に皮膚のたるみによる眼瞼下垂に効果的で、加齢によるまぶたの変化に対応した手術方法です。切除する皮膚の量を調整することで、自然な見た目を実現します。
手術の流れ
1.初診・診察
詳しい問診と診察を行い、眼瞼下垂の原因や程度を評価します。また、他の眼疾患がないかも確認し、最適な治療方法を検討します。
2.治療方針の決定
診察結果に基づいて、最適な手術法をご提案します。手術の内容、効果、リスクなどについて詳しくご説明して、患者様の同意を得たうえで手術計画を立てます。
3.手術当日
お伝えした日時に当院へご来院ください。
4.手術
眼瞼挙筋腱膜前転法
- まぶたに局所麻酔を注射します
- まぶたの皮膚を切開し、腱膜を露出させます
- 腱膜を適切な位置に前転して固定します
- 皮膚を丁寧に縫合します
- 創部を消毒して保護します
眉毛下皮膚切除術
- 眉毛の下に沿って切開線をマーキングします
- 局所麻酔を注射します
- 余分な皮膚を切除します
- 傷跡が目立たないよう丁寧に縫合します
- 創部を消毒して保護します
術後のケア
術後は冷却パックで腫れを抑えて、処方された目薬や軟膏を使用します。通常、術後1週間で抜糸を行い、初期経過を確認します。
その後も定期的に診察を行い、まぶたの状態と機能をチェックします。最終的な仕上がりは術後3ヶ月程度で確認できます。
術後の注意点
- 通常、手術当日～翌日に眼帯を使用していただきます
- 冷却パックによる腫れの軽減（10分程度を繰り返し）
- 処方された目薬や軟膏を指示通りに使用してください
- 頭を少し高くした状態で就寝してください
- 術後1週間は激しい運動や入浴は避けてください
- コンタクトレンズの使用やアイメイクは医師の指示があるまで控えてください
- 車の運転は医師の指示があるまで控えてください
など
手術のリスクと合併症
眼瞼下垂の手術は比較的安全ですが、以下のようなリスクがあります。当院では丁寧な手術と適切な術後ケアに努めています。
- 腫れと内出血：術後1～2週間は腫れが続くことがあります
- 左右差：完全に対称にすることが難しい場合があります
- ドライアイ：一時的に目が乾きやすくなることがあります
- 再発：時間の経過とともに再び下垂することがあります
など