脂肪腫について
脂肪腫(しぼうしゅ)は皮膚の下にできる良性の腫瘍で、脂肪細胞が異常に増殖してできたものです。皮下組織に発生して、柔らかいしこりとして触れることができます。通常は押すと動き、痛みはほとんどありません。
ゆっくりと大きくなることがありますが、多くの場合は悪性ではなく、健康に重大な影響を与えることはありません。
こんなお悩みはありませんか?
- 皮膚の下に柔らかいしこりがあり、押すと動く
- しこりが徐々に大きくなってきて心配
- 腕や太もも、背中などにできものがある
- しこりが気になって服装に制限がある
- 「良性か悪性か」判断してほしい
- 目立つ場所のしこりを取り除きたい
など
脂肪腫の治療方法
脂肪腫の治療方法は症状や大きさによって異なります。小さく安定している脂肪腫の場合は、定期的に診察を受けながら様子を見る「経過観察」も選択肢の1つです。脂肪腫は自然に消えることはほとんどありませんが、急速に大きくならなければ観察を続けることもあります。
一方、大きくなってきたり、日常生活に支障を来したりする場合は、手術で取り除くことをおすすめします。当院では局所麻酔による日帰り手術で対応しています。また、稀に「脂肪肉腫」という悪性腫瘍の可能性もあるため、正確な診断を行うことが重要です。
脂肪腫の手術
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、形成外科専門医である院長が脂肪腫の診断から手術、術後のケアまで一貫して担当しています。
■脂肪腫と脂肪肉腫の鑑別
脂肪腫は通常は良性ですが、稀に「脂肪肉腫」と呼ばれる悪性腫瘍の可能性もあります。急速に大きくなる、痛みを伴う、大きさが5cm以上ある、深部組織に固定しているなどの特徴がある場合は、脂肪肉腫の可能性を考慮します。
当院では慎重に診断を行い、悪性が疑われる場合には大学病院などの専門機関をご紹介します。早期発見・早期治療が何よりも重要ですので、皮膚の下にしこりを感じたら、お早めにご相談ください。
脂肪腫の切除手術
脂肪腫の手術は、局所麻酔下で行います。脂肪腫の直上またはその近くに切開を加えて、皮下組織を丁寧に剥離して脂肪腫を露出させます。脂肪腫を包む薄い被膜を傷つけないように注意しながら、周囲組織から慎重に剥離し、脂肪腫を被膜ごと完全に摘出します。
その後、出血がないことを確認して創部を洗浄して、丁寧に縫合します。
手術の流れ
1.初診・診察
詳細な問診と視診・触診により、脂肪腫の状態を慎重に評価します。必要に応じて超音波検査(エコー)を行い、腫瘍の大きさや内部構造、血流の有無を詳しく調べます。
2.治療方針の決定
診察結果に基づいて、脂肪腫の大きさや場所、深さなどを考慮した最適な治療方法をご提案します。手術日を決定して、必要に応じて術前検査を行います。
3.手術当日
お伝えした日時に当院へご来院ください。
4.手術
- 脂肪腫の直上またはその近くに切開を加えます
- 皮下組織を丁寧に剥離して脂肪腫を露出させます
- 脂肪腫を被膜ごと周囲組織から慎重に剥離します
- 完全に脂肪腫を摘出します
- 出血がないことを確認して止血処置を行います
- 創部を洗浄して、丁寧に縫合します
術後のケア
手術後は創部を清潔に保つことが大切です。抜糸は約1週間後に行います。術後の経過は定期的な診察で確認し、問題がないか丁寧にフォローします。
術後の注意点
- 当日は激しい運動や入浴を避けてください
- 創部を清潔に保ち、指示された通りに消毒を行ってください
- 痛みがある場合は処方された鎮痛薬を服用してください
- 圧迫包帯で固定することがあります
- 異常な痛み、出血、腫れがある場合はすぐにご連絡ください
など
手術のリスクと合併症
どんな手術にもリスクはつきものです。脂肪腫の手術で起こりうる主なリスクと対策についてご説明します。
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再発:脂肪腫が完全に切除されていない場合、再発する可能性があります
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出血:手術中や術後に出血が生じることがあります
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感染:手術後に創部が感染するリスクがあります
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傷跡:手術による傷跡が残りますが、時間とともに目立たなくなっていきます
など