陥没乳頭の手術
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、陥没乳頭に悩む患者様へ日帰り手術を行っています。患者様の状態やご希望に合わせて、「埋没法(糸による乳頭の挙上・固定)」や「切開法(乳頭周囲を切開して、乳頭を引き出す)」など最適な方法をご提案いたします。
どちらの手術も局所麻酔で行い、痛みを最小限に抑えながら確実な効果を目指します。手術時間は片側約30分(両側で1時間程度)で、その日のうちにお帰りいただけます。
診察時には必ず女性スタッフが同席いたしますので、安心してご相談ください。
当院の手術の特徴
形成外科専門医による精密な手術
当院の院長は形成外科専門医の資格を持ち、大学病院での豊富な手術経験があります。特に皮膚や組織を扱う繊細な技術が求められる陥没乳頭の手術において、美しい仕上がりと確実な効果を両立させた治療を提供しています。
患者様に合わせた手術の選択
傷跡を気にされる方には「埋没法」を、より確実な効果を求める方には「切開法」をご提案するなど、患者様の状態やご希望に合わせたオーダーメイドの治療計画を立てています。
手術室設置・土曜日にも手術を実施
専用の手術室を設置して、安全な日帰り手術を実施しています。局所麻酔で痛みを抑えて、手術後も短時間の休憩でご帰宅いただけるため、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
土曜日の手術にも対応しており、働く女性の方も受診しやすい環境を整えています。
丁寧なアフターケアとサポート
手術後は定期的な診察を行い、半年間しっかりと経過を見守ります。術後の乳頭保護具の使用方法や日常生活での注意点など、詳しいアドバイスと具体的なケア方法をお伝えします。
万が一の再発や合併症にも迅速に対応して、患者様の不安を解消します。
手術の流れ
1.初診・カウンセリング
まずは視診と触診を行い、陥没乳頭の程度(グレード)を判断します。患者様のお悩みやご希望を丁寧にお聞きして、最適な治療方法をご提案します。
この段階で不安なことやご質問があれば、遠慮なくお聞きください。女性スタッフが必ず同席しますので、安心してご相談いただけます。
2.術前検査
術前検査として、血液検査などを行います。検査結果に問題がなければ、手術日を確定します。
3.手術当日
お伝えした日時に当院へご来院ください。
手術
埋没法(糸による乳頭の挙上・固定)
乳頭周囲に2mm程度の小さな針穴を開け、そこから特殊な糸を通して乳頭を挙上・固定して、突出状態を維持する方法です。
■手術の内容
- 局所麻酔を行います
- 乳頭を軽く引き出します
- 乳頭基部の2~3箇所に2mm程度の皮膚を開けます
- 特殊な埋没縫合糸を用いて乳頭を内側から支えるように固定します
- 針穴を縫合して、術後の保護材を装着します
■術後の経過
- 術後1週間程度で抜糸を行います
- 2週間程度は乳頭周囲の腫れや軽い痛みが続くことがあります
- 傷跡はほとんど目立たず、時間とともに薄くなっていきます
切開法(乳頭周囲を切開して、乳頭を引き出す)
乳頭周囲に切開を加えて、陥没の原因となる線維組織を直接処置し、乳頭を引き出して固定する方法です。より確実な効果が期待できます。
■手術の内容
- 局所麻酔を行います
- 乳頭を引き出し、乳頭基部に沿って適切な切開を加えます
- 陥没の原因となる線維性組織を丁寧に剥離します
- 乳頭下に組織を充填して、より安定した突出を確保します
- 切開部位を縫合して、術後の保護材を装着します
■術後の経過
- 術後1週間程度で抜糸を行います
- 2~3週間程度は乳頭周囲の腫れや痛みが続くことがあります
- 傷跡は時間とともに薄くなっていきますが、完全に消失するわけではありません
術後のケアと経過観察
術後のケア
手術直後から約半年間は、乳頭が再陥没しないよう適切なケアが重要です。
術後1週間
- 創部を清潔に保ち、医師の指示に従って消毒を行ってください
- シャワーは基本的に2~3日後から可能ですが、乳頭部分は直接洗わないようにご注意ください
- 激しい運動や乳頭への圧迫は避けてください
など
術後1週間~1ヶ月
- 抜糸後も乳頭への直接的な刺激は避けてください
- 指示された保護具(授乳キャップやスポンジ状の保護具など)を使用して、乳頭が陥入しないようにします
- 下着は締め付けの少ないものを選びましょう
など
術後1ヶ月~半年
- 徐々に日常生活に戻していきますが、乳頭への強い圧迫は避けてください
- 保護具の使用を継続します
- 定期的な診察で経過を確認します
など
定期的な経過観察
術後の経過を確認するために、以下のようなスケジュールで通院していただきます。
※通院スケジュールはあくまで目安で、患者様によって異なります
- 術後1週間:抜糸、初期経過の確認
- 術後1ヶ月:治癒状況の確認
- 術後3ヶ月:中期経過の確認
- 術後6ヶ月:最終的な結果の確認
半年が経過して問題がなければ、多くの場合、治療は完了となります。ただし、何か気になる症状があれば、いつでもご相談ください。
手術のリスクと合併症
どんな手術にもリスクはつきものです。陥没乳頭手術で起こりうる主なリスクと対策についてご説明します。
再発
手術後に乳頭が再び陥没する可能性があります。特に「埋没法(糸による乳頭の挙上・固定)」は、「切開法
(乳頭周囲を切開して、乳頭を引き出す)」よりも再発率がやや高い傾向があります。
再発を予防するために、術後の保護具の使用と定期的な経過観察が重要です。
乳頭の壊死
血流が著しく悪化した場合、乳頭組織の一部が壊死することがあります。これは最も重篤な合併症ですが、適切な手術と術後管理により、リスクを最小限に抑えることが可能です。
万が一、術後に乳頭の色が著しく変化したり、痛みが強くなったりした場合は、すぐにご連絡ください。
感染
術後の感染のリスクがあります。清潔な創部管理と適切な抗生物質の使用でリスクを低減します。
傷跡
特に「切開法」では、手術後に目立つ傷跡が残る可能性がありますが、時間とともに徐々に薄くなっていきます
授乳への影響
基本的に乳管を温存する手術を行いますので、将来的な授乳機能は保たれると考えられますが、100%保証されるものではありません。