巻き爪について
巻き爪(陥入爪:かんにゅうそう)は、爪の両端または片側が皮膚に食い込んでしまう状態です。初期には軽い痛みや違和感がある程度ですが、進行すると強い痛みや炎症を引き起こし、歩行が困難になることもあります。
さらに悪化すると細菌感染を起こして、「ひょう疽(ひょうそ)」と呼ばれる化膿性の炎症を引き起こすこともあります。特に親指に多く見られますが、他の指にも発生します。
こんなお悩みはありませんか?
- 爪の両端が皮膚に食い込んで痛みがある
- 足の指が赤く腫れて歩くのがつらい
- 何度も同じ爪が巻いてしまう
- 巻き爪を自分で処置しているが改善しない
- 以前、他院で治療したが再発してしまった
- 膿が溜まって痛みが強くなってきた
など
巻き爪の治療方法
巻き爪の治療方法は症状の程度によって異なります。軽度の場合は、爪の正しい切り方の指導やテーピング法などの保存療法が有効です。
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、保険診療でのフェノール法を中心に治療を行っています。この方法は再発率が低く、確実な効果が期待できます。他の医療機関で1年以上治らなかった巻き爪が、当院での適切な治療により1ヶ月程度で改善したケースもあります。
フェノール法とは?
フェノール法は、巻き爪の根本的な解決法として広く行われている術式です。爪の食い込んでいる部分のみを部分的に切除し、爪を作る「爪母(そうぼ)」と呼ばれる組織にフェノールという薬剤を塗布して、その部分の爪が再生しないようにします。
痛みが少なく、日常生活への影響が最小限で、再発率が低いのが大きな利点です。また、保険診療で受けられる治療方法です。
治療の流れ
1.初診・診察
足の状態や巻き爪の程度を詳しく診察します。爪の状態、炎症の程度、感染の有無などを確認し、最適な治療方法を検討します。
2.治療方針の決定
診察結果に基づいて、治療方法をご提案します。フェノール法による治療が適していると判断した場合は、治療の内容や治療後の経過について詳しく説明します。
3.治療
- 巻き爪の原因となっている爪の端の部分を専用の器具で切除します
- 爪床と爪溝(爪の生えている溝)を丁寧に清掃します
- 爪母(爪の発生源)にフェノールを塗布して、その部分からの爪の再生を防ぎます
- 処置後、フェノールを中和し、余分な薬剤を洗い流します
- 創部をガーゼで保護します
治療後のケア
治療後の創部の管理が大切です。治療後の痛みは比較的軽度ですが、必要に応じて鎮痛剤を処方します。治療後5~7日目に初回の処置と経過確認を行い、その後は症状に応じて通院頻度を調整します。症状が完全に改善するまで定期的に診察を行います。
治療後の注意点
- 患部を清潔に保ってください
- 包帯やガーゼが濡れた場合は交換してください
- 極端な運動は数日間避けてください
など
治療のリスクと合併症
フェノール法は比較的安全な治療ですが、以下のようなリスクや合併症があります。
- 一時的な痛みや不快感:治療後数日間は軽度の痛みや違和感があることがあります
- 出血:軽度の出血が続くことがありますが、通常は数日で止まります
- 感染:適切な術後ケアを行わないと感染するリスクがあります
- 再発:ごく稀に、部分的に爪が再生することがあります
など