できもの・しこりの診断
皮膚や皮下のできもの・しこりを適切に治療するためには、まず正確な診断が重要です。堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、視診・触診に加えて必要に応じて各種検査を行い、できもの・しこりの性質を見極めたうえで最適な治療方法をご提案いたします。
視診・触診
まずは視診・触診を行います。できもの・しこりの大きさ、形状、色調、硬さ、皮膚表面の状態などを確認します。
ダーモスコピー検査
皮膚表面の拡大観察が可能な特殊な機器を使用して、肉眼では確認できない微細な構造や血管パターンを確認します。特にほくろなどの色素性病変の診断に有用です。
組織検査(生検)
悪性が疑われる場合や、診断が困難な場合には、一部の組織を採取して顕微鏡で調べる検査を行うことがあります。これにより確定診断が可能になります。
治療が必要になる主なケース
以下のような場合は、治療を検討する目安となります。
- 急に大きくなってきた
- 痛み、かゆみ、出血などの症状がある
- 炎症を繰り返す
- 悪性が疑われる特徴がある
- 美容的な問題で悩んでいる
- 日常生活に支障がある(衣服が擦れる、動きを妨げるなど)
など
できもの・しこりの治療方法
できもの・しこりの種類、大きさ、場所、患者様のご希望などに応じて、最適な治療方法を選択します。
保存療法(非手術療法)
経過観察
良性で症状がなく、小さなできもの・しこりの場合は、経過観察となることがあります。
液体窒素療法(凍結凝固法)
いぼなどの良性の皮膚病変に対して、液体窒素を用いて病変部位を凍結させる治療方法です。
- 対象:尋常性疣贅(ウイルス性いぼ)、脂漏性角化症(老人性いぼ)など
- 特徴:麻酔不要、短時間で終了、傷跡が最小限
- 治療回数:病変によっては複数回の治療が必要なことも
CO2(炭酸ガス)レーザー
CO2(炭酸ガス)レーザーを使って、病変部位を蒸散させる治療方法です。
- 対象:いぼ、小さなほくろ、表在性の良性腫瘍など
- 特徴:細かい調整が可能、出血が少ない、傷跡が比較的目立ちにくい
- 注意点:病変の深さによっては完全に除去できないことがある
手術療法
より確実な治療が必要な場合や、大きなできもの・しこり、悪性が疑われる場合には手術が検討されます。堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、形成外科専門医による美しい仕上がりを重視した手術を実施しています。
切除
できもの・しこりを周囲の正常組織とともに切除する方法です。
- 対象:粉瘤(アテローム)、脂肪腫、大きないぼやほくろなど
- 特徴:確実に除去が可能、病理検査が可能
- 注意点:縫合が必要、傷跡が残る可能性がある
くり抜き法
特に粉瘤(アテローム)に対して行われる治療で、小さな穴から内容物と袋を取り出す方法です。
- 対象:炎症を起こしていない粉瘤
- 特徴:傷が小さい、回復が早い
- 注意点:大きな粉瘤や炎症性粉瘤には適さない場合がある
切開・排膿
炎症を起こして膿がたまった粉瘤などに対して、切開して膿を出す治療方法です。
- 対象:炎症性粉瘤など
- 特徴:痛みや腫れを早く軽減できる
- 注意点:袋(嚢胞壁)が残るため、炎症が落ち着いた後に袋を摘出する二期的手術が必要な場合がある