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陥没乳頭について

陥没乳頭について

陥没乳頭は、通常外側に突出するはずの乳頭(乳首)が乳輪の平面より内側に引き込まれている状態です。これは決して珍しいものではなく、軽度のものも含めると女性の約10人に1人に見られるとされています。
陥没乳頭は片側だけのこともあれば、両側に見られることもあります。多くの方が見た目の問題や将来の授乳への不安から悩まれていますが、適切な診断と治療によって改善が期待できます。

こんなお悩みはありませんか?

  • 乳頭が凹んでいて、外に出てこない
  • 乳頭を指で引っ張り出しても、すぐに元の状態に戻ってしまう
  • 見た目が気になって恥ずかしい
  • 将来、授乳ができるか心配
  • 乳輪の下が時々痛んだり、炎症を起こしたりする
  • パートナーとの関係で悩んでいる
  • いつ治療を受けるべきか迷っている
  • 手術は怖いけれど、このままで良いのか不安

など

陥没乳頭の原因

陥没乳頭には、大きく「先天性」と「後天性」があります。

先天性の陥没乳頭

生まれつきの要因によるもので、主に以下の原因が考えられます。

  • 乳管(母乳が流れる管)が過度に短く未発達
  • 乳頭直下の線維性の組織(線維性帯)が通常より強く発達して、乳頭を内側に引っ張っている
  • 乳頭基部の支持組織が十分に発達していない

など

後天性の陥没乳頭

後から何らかの要因で陥没した状態になるもので、主な原因には以下のようなものがあります。

  • 乳腺炎や乳輪下膿瘍などの炎症による瘢痕(はんこん)形成
  • 授乳時の損傷や不適切な吸引
  • 乳房手術の後遺症
  • 乳がんなどの疾患やその治療の影響

など

これらの原因によって乳頭周囲の組織に変化が生じて、乳頭が内側に引き込まれるようになります。

陥没乳頭の程度(グレード)

陥没乳頭は症状の程度によって、以下の3つのグレードに分類されます。

Ⅰ度(軽度)

乳頭を指で押したり引っ張ったりすると容易に突出して、しばらくその状態を維持できます。日常生活での不便はほとんどなく、授乳も通常、問題なく行えます。

自然に改善することもあり、マッサージや吸引器の使用で状態が良くなることも多いです。

Ⅱ度(中等度)

乳頭を引き出すことはできますが、力を緩めるとすぐに元の陥没状態に戻ってしまいます。授乳に困難を伴うことが多く、赤ちゃんが乳頭をくわえにくい状態です。この段階から手術が検討されます。

Ⅲ度(重度)

乳頭を手で引き出すことが難しく、強い力を加えても突出しない状態です。乳管の発達も十分でないことが多く、授乳が困難あるいは不可能なことがあります。

通常、手術が必要となる段階です。乳腺炎や乳輪下膿瘍などのリスクも高まります。

陥没乳頭で起こりうる問題

陥没乳頭があることで、以下のような問題が生じる可能性があります。

炎症と感染のリスク

乳頭が陥没していると、その窪みに汚れや分泌物が溜まりやすくなります。これが細菌の繁殖を促して、乳腺炎や乳輪下膿瘍などを引き起こす可能性が高まります。

授乳が困難になる

特にⅡ度以上の陥没乳頭では、赤ちゃんが乳頭を上手くくわえられないことがあります。これにより、授乳が困難になることがあります。また、母乳が十分に排出されないことで乳腺炎のリスクも高まります。

見た目の問題

見た目の問題から自信の低下や精神的ストレスを感じる方も少なくありません。パートナーとの関係に影響を与えることもあります。

陥没乳頭の診断

陥没乳頭の診断は基本的に視診と触診で行われます。医師が乳頭の状態を確認して、どの程度の陥没があるのか、引き出せるかどうかを調べることで、症状の程度を判断します。
堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、女性スタッフが同席した安心の環境で診察を行っています。陥没乳頭でお悩みの方は、まずはご相談ください。

陥没乳頭の治療

陥没乳頭の治療は、症状の程度や患者様のご希望に合わせて選択します。基本的には以下の2つのアプローチがあります。

保存療法(非手術療法)

Ⅰ度(軽度)の陥没乳頭の場合、以下のような非侵襲的な方法で改善をはかることが可能です。

  • 乳頭吸引器(1日数回、乳頭を引き出す)
  • マッサージ法
  • ブルックスホフマン法

など

これらの方法は痛みが少なく、ご自宅でも継続的に行えるというメリットがあります。ただし、効果が現れるまでに時間がかかることが多く、Ⅱ度以上の陥没乳頭では効果が限定的な場合があります。

手術療法

Ⅱ~Ⅲ度(中等度から重度)の陥没乳頭や、保存的療法で改善が見られない場合には手術が効果的です。手術には主に以下の方法があります。

  • 埋没法(糸による乳頭の挙上・固定)
  • 切開法(乳頭周囲を切開して、乳頭を引き出す)

これらの手術は日帰りで行うことができ、術後の回復も比較的早いのが特徴です。

 

陥没乳頭の治療は、見た目の改善だけではなく、将来の授乳機能の保持や炎症予防などの健康面でのメリットも期待できます。堺市西区の伊谷形成外科・皮フ科クリニックでは、患者様お一人おひとりの状態とご希望に合わせた最適な治療方法をご提案しています。お気軽にご相談ください。